毎日お茶を飲みますか?
かつての日本では、毎日の食卓に当たり前のように出されていたお茶ですが、現代ではお茶の代わりにコーヒーを飲む人が増えている印象です。
コーヒーの香りはそれだけでも絶大な癒し効果があるし、あの独特の苦みは癖になりますよね。
そんなコーヒーの人気に押されて、影が薄くなったように感じる「お茶」ですが、実は物凄い健康&美容効果がある事が解ってきたんです。
今回は「お茶」の健康効果や美容効果、色々なお茶の特徴や違いなどをご紹介します。
目次
そもそも「緑茶」ってなに?
日本ではお茶と言えば、緑茶を思い浮かべる人が多いかと思います。かつての日本では、食後のお茶と言えば緑茶が主流でした。
お茶の効能を知る前に、まずは基礎知識として緑茶についてお話しします。
緑茶とは、生のお茶の葉を蒸して熱処理することにより、酸化酵素の働きを抑えた不発酵茶です。
(発酵茶は紅茶、半発酵茶はウーロン茶などです)
煎茶・玉露・番茶・抹茶など日本茶全般の総称を「緑茶」と呼びます。
それぞれのお茶の特徴
煎茶・・新芽が出てから摘み取りまで、ずっと日光に当てたまま育てる。程よい渋みと爽やかな香りでスッキリ味。日本で一番飲まれているお茶。
玉露・・新芽が2~3枚開き始めたら、または摘み取りの3週間前から日光を遮って育てる。渋みがなく旨味と甘みが豊富でコクがある。独特の香り。
番茶・・煎茶のように若葉ではなく成長した葉を用いるため、タンニンは多めでカフェインは少なめ。渋みがあり、淡白でさっぱり味。普段使い用のお茶。
ほうじ茶・・番茶や煎茶を強火で炒ったお茶。香ばしい香りとすっきりした味が特徴。
抹茶・・日光を遮って育てた若葉を乾燥させた碾茶(てんちゃ)を石臼などでひいて粉末にしたもの。
こんなにあった!お茶の成分と様々な健康作用
緑茶には様々な成分が含まれていて、沢山の健康効果をもたらします。一つ一つの成分によるものだけではなく、相乗作用で効果が更に高められます。
タンニン・・渋み成分。ポリフェノールであるタンニンの主成分であるカテキンには、強い抗酸化力や抗菌力、殺菌力があるとされています。動脈硬化・がん・高血圧など生活習慣病の予防や、強い殺菌力により口臭・虫歯・食中毒の予防になります。
カフェイン・・苦み成分。成熟した芽よりも若い芽に多く含まれている為、抹茶や玉露はカフェインの含有量が多くなります。覚醒作用により眠気を防ぐ効果があります。また、カフェインを摂取して運動を行うと、脂肪をエネルギー源とするようになり持久力が上がるという現象が見られます。更に、アルコールの代謝が高まる為二日酔いにも効果を発揮します。
テアニン・・旨味や甘味成分。日光に当てずに育てるほうがテアニンを豊富に含むため、玉露や抹茶は旨味の多い味に、煎茶や番茶はあっさり味になります。血圧の上昇を抑制したり、脳や神経の機能を調節したりする作用があります。
ビタミン・・緑茶には下記の通り、沢山のビタミンが含まれています。
ビタミンC:最も多く含まれています。コラーゲンを作るのに欠かせない成分で、肌の健康に不可欠です。また、抗酸化作用があり、がんなどの生活習慣病の予防に重要な役割があると言われています。茶葉に日が当たることで作られる成分であるため、玉露や抹茶よりも煎茶に多く含まれます。
ビタミンB2:口内炎や皮膚炎の防止、ニキビの改善など皮膚や粘膜の再生に効果を発揮します。
葉酸:造血のビタミンとも呼ばれ、赤血球の生産を助けます。また、妊娠初期の女性は積極的に摂取するようにと言われています。
βカロチン:抗酸化作用、抗がん作用、免疫機能改善などの作用があります。ビタミンAに変換されると皮膚や粘膜を健康に保つ作用があります。
ビタミンE:非常に強い抗酸化作用があり、老化防止に効果があると言われています。
お茶は最強の抗酸化飲料
普段の呼吸の内の数パーセントが、あるいは激しい運動や過度なストレス、紫外線などによって私たちの体内には活性酸素がうまれます。
活性酸素は体内に侵入した細菌やウィルスから身を守る働きがあります。反面、増えすぎた活性酸素は様々な病気の原因となったり、老化を促進させてしまいます。なんとあらゆる病気の90%が活性酸素が原因と言われている程です。
加齢や過剰な紫外線、タバコ、大気汚染、食生活の乱れ、激しい運動などにより増加する活性酸素を減少させる「抗酸化作用」のある食品を毎日の生活に取り入れたいものです。
お茶に含まれるカテキンは、ポリフェノールを含む果物のリンゴや柿、ブルーベリーなどと比べても圧倒的な抗酸化力です。
活性酸素を消去することで有名なビタミンC・ビタミンE・βカロチンなどの抗酸化ビタミンも、お茶には豊富に含まれています。
活性酸素について詳しくはこちらを参考にしてください。
肥満予防に食物繊維、お茶とダイエットの深い関係
緑茶のダイエット効果はこんなに沢山
◎緑茶のカテキンが、リパーゼの働きを抑制して小腸での脂肪の吸収を阻みます。すると血液中の中性脂肪が減り、肥満を予防することになります。
◎緑茶に含まれるカテキンが、褐色脂肪細胞を活性化させエネルギー消費を高めることが、最近の研究で分かってきました。
◎緑茶は腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす効果があり、それにより腸内環境は改善、肥満の予防につながります。緑茶の食物繊維はごぼうの8倍もあると言われていて、緑茶を粉末にして飲むと腸内環境改善に効果的です。
◎緑茶に含まれるカフェインには、脂肪の分解・燃焼を促進させる効果があります。また、利尿作用により老廃物の排出が行われたりむくみの解消に効果を発揮します。
ダイエットのために緑茶を飲むタイミングは?
①運動の30分前に飲むことで、脂肪燃焼の効果が高まります。
②食前や食事中に飲むことで、満腹感を得られ、食欲を抑えやすくなります。
③食後に飲むことで、脂肪の吸収を抑える効果があります。
ダイエット効果を得るための適量は?
ダイエットの為には、カテキンは一日500mg以上とると効果的だと言われています。
急須で入れるお茶が一杯約5~60mg含まれているので、10杯飲めば500mgになりますが、一日に10杯の量を飲むのは大変です。ですので濃い目に抽出したものを一日数杯、という方法がお勧めです。
また、緑茶をそのまま粉末にした粉末緑茶も、全ての成分を丸ごと取れるのでお勧めです。
ペットボトルのお茶のカテキン量は、急須で入れたものの半分程度と言われていますので、ダイエット目的の場合は少し物足りないかもしれません。
ペットボトルと急須で入れたお茶の違いは?
急須で入れた煎茶とペットボトルのお茶を比べてみたら、旨味成分であるテアニンが急須のお茶に約4倍も含まれていることがわかりました。
また、タンニンが5倍以上、カフェインも2倍以上あるそうです。
お茶の健康効果や美容効果を得たいなら急須で入れたお茶を、風呂上りや運動の後などにごくごく飲むならペットボトルのお茶を、などシーンによって使い分けていくことをおすすめします。
お茶に含まれるカテキンなどにより、様々な健康効果や美容効果が期待できることがおわかり頂けたかと思います。
しかし何事もやりすぎはよくありません。一日に何十杯も飲んだからと言って、健康になったりダイエット効果が得られたりするわけではないので、体の声を聞きつつ美味しく健康にお茶を楽しみましょう。
また緑茶に含まれるタンニンには、鉄分の吸収を抑える作用がある為、貧血気味の人は少し注意が必要かもしれません。
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