日本でお茶と言えば緑茶が頭に浮かびますが、世界では、様々な種類のお茶が楽しまれています。
ほっと一息つく時の大事なアイテム、お茶。
お茶のない生活なんて、なかなか想像ができません。
世界のお茶は大きく、5つに分かれていると言われています。
それぞれのお茶はどのように違うのか、お茶の世界をのぞいてみましょう。
目次
紅茶と緑茶は同じ茶葉からできていた!
世界には様々なお茶がありますが、そのお茶は5つに大別することが出来ます。
原料となる茶葉は、みんな同じ樹木を使うのに、、です。
そうです。実は紅茶も緑茶も同じお茶の樹から作られます。
そもそも「お茶」とは、「チャノキの葉や茎を加工して作られる飲み物」ですから、当たり前と言えば当たり前ですね。
お茶の違いは発酵度合いによるもの
それでは、同じチャノキから作られる「お茶」の違いとは、一体何なのでしょうか。
それは、発酵度合いの違いによるものです。
緑茶(不発酵茶)…アジアで最もよく飲まれているお茶。
白茶(弱発酵茶)…ごくわずかに茶葉を発酵させる。軽い味わい。
黄茶(半発酵茶)…特別な加熱処理をして、軽度の発酵を行ったお茶。
青茶(半発酵茶)…発酵度合いは種類によって20~80%と幅が広い。ウーロン茶・鉄観音茶など。
紅茶(発酵茶)…世界中で消費されている紅茶。発酵度80~90%の完全発酵茶。
黒茶(後発酵茶)…緑茶を微生物で発酵、熟成。時間がたつと美味しくなりワインのように寝かせることも。
つまり、「不発酵茶」の緑茶と「発酵茶」の紅茶の間にある、白茶・黄茶・青茶は全て「半発酵茶」となるわけです。
「不発酵茶」である緑茶
生の茶葉を摘み取った後、煮る・蒸す・炒るなどの方法で加熱処理され発酵を止めるのが「不発酵茶」です。
日本では蒸すことで発酵を止める方法が多くとられていて、中国や世界の他の国々では炒る方法で作るのが殆どだと言います。
緑茶の効能代表は、抗酸化力!
緑茶には強力な抗酸化作用があります。
金属が時間の経過とともに錆びるように、私たちの体も年齢を重ねるごとに酸化していきます。
年齢以外にも、タバコや過度な運動、紫外線、ストレスなどで、体を錆びつかせる物質である活性酸素は増えていきます。
そして現代ではあらゆる病気の90%は、活性酸素が原因ともいわれています。
この活性酸素を減少させてくれるのが抗酸化物質です。
緑茶に含まれるカテキンには強力な抗酸化力があり、活性酸素が原因となる老化現象から体を守る働きがあります。
また緑茶に含まれる抗酸化物質により、毎日飲み続ける事で癌を抑制する作用があるとの研究結果も出ています。
緑茶について詳しくはこちらも参考にしてください。
「半発酵茶」の代表、ウーロン茶
お茶の発酵途中に、加熱することで発酵を止めるお茶を「半発酵茶」といいます。
その発酵具合によって色々な種類のお茶になるので、「半発酵茶」と一言で言ってもとても幅の広いものです。
日本で半発酵茶と言えば、ウーロン茶が有名です。薫り高いことが大きな魅力のウーロン茶。
茶葉の主な香り成分「テルペン類」が半発酵の時に最も引き出されるのを利用して、発酵途中のここだ!というタイミングを見計らって発酵を止めることで、薫り高いお茶に仕上がるのです。
またウーロン茶は品種が多いことでも有名で、その数は800種あるとも言われている程です。
凍頂烏龍茶、東方美人茶、鉄観音茶などが代表銘柄として知られています。
ウーロン茶は、脂質を排出してくれる
ウーロン茶ポリフェノールには、脂質吸収の役割を担っている消化酵素を抑制する働きがあります。つまり、脂質が体内に吸収されずに腸まで運ばれて排出されるというわけです。
動物実験によると、水を飲ませたものとウーロン茶を飲ませたものとでは、ウーロン茶を飲んだ方が30%も多く脂肪が排出されていたという事です。
またウーロン茶に含まれるカテキンには、血中コレステロールの上昇を抑制する作用があります。
これにより、動脈硬化の予防に役立つと言われています。
アトピー性皮膚炎の改善にも効果を発揮するとの、臨床試験の報告もあるそうです。
「発酵茶」と言えば、紅茶
酸化酵素の働きを十分に利用して、茶葉を完全に発酵させたのが「発酵茶」です。
世界中で最も飲まれているお茶、紅茶。
紅茶と言えばイギリスを思い浮かべる人も多いかと思いますが、実は紅茶の生産量一位はインドです。
なんとインドだけで、世界の半分以上の紅茶を作っているんです。
有名な銘柄のダージリンや、ミルクティーにぴったりのアッサムも、インドの紅茶です。
一方イギリスは、ほとんど紅茶の生産を行っていません。
紅茶の殺菌作用で風邪予防
紅茶に含まれるタンニンには殺菌作用があります。
ちょっと喉が痛いな…なんていう時には、ただの水でうがいをするよりも殺菌作用のある紅茶うがいのほうが効果的であると考えられています。
また紅茶フラボノイドは抗酸化物質として知られていて、細胞を酸化させて様々な病気を引き起こす原因とされている、活性酸素を抑える働きがあります。
カフェインには、利尿作用の他にも覚醒作用・疲労回復・脂肪の燃焼効果などが期待できます。
紅茶を飲むことでテアニンによりリラックス効果が得られるため、緊張や不安な気持ちの解消に役立つと言われています。
ただし、紅茶の過剰摂取に注意
多量に摂取しすぎることで、タンニンの働きにより鉄分の吸収が阻害され、貧血などを引き起こす可能性があります。
カフェインには過剰摂取により、中毒症状の可能性が指摘されています。
めまいや心拍数の増加、不安や震え、吐き気、嘔吐につながる危険もある為注意が必要です。
カフェインが多いのはコーヒー?紅茶?それとも緑茶?
通常の入れ方で入れた飲み物のカフェイン量を比べてみますと、
玉露 > コーヒー > 紅茶 > 煎茶・ウーロン茶
となります。紅茶はコーヒーの半分くらいの含有量ですので、カフェインが苦手な人には紅茶や緑茶のほうがお勧めです。
カフェインには、自律神経の働きを高めたり、集中力を高めるなどの働きもありますので、朝の眠気覚ましや仕事中の作業効率を上げたいときなどに飲むことで効果が期待できそうですね。
コーヒーと紅茶を混ぜた飲み物「鴛鴦茶(えんおうちゃ)」!
香港では一般的な飲み物
日本ではあまり知られていない鴛鴦茶という飲み物をご存知でしょうか。
実は香港では一般的に飲まれている、コーヒーと紅茶を混ぜた飲み物なんです。
ホットもアイスもあり、砂糖と無糖練乳を入れて飲まれることが多いようです。
「鴛鴦」とは日本語で言うオシドリの事です。オシドリ夫婦なんていう言い方をよくしますが、仲の良い夫婦のように、「コーヒーと紅茶が仲良くブレンドされているお茶」という意味なんだそうです。
なんだか縁起の良さそうな名前ですね。
鴛鴦茶の作り方は3通り
1,コーヒーと紅茶を別々に作って混ぜる
2,レギュラーコーヒーの粉と紅茶の茶葉を混ぜておいて、そこにお湯を注いで抽出
3,まずは紅茶を濃い目に入れる。コーヒーの粉にその紅茶を注いで抽出
3通りの作り方がありますが、入れ方や配合によって様々な味に変化するので、自分好みの味を見つけるのも楽しみのひとつと言えるかもしれません。
あまり高級な茶葉やコーヒーよりも、安価な物で作ったほうが現地の味に近いようです。
鴛鴦茶の味は・・賛否両論
気になるお味は・・・
「コクがあって美味しい!」「コーヒーと紅茶が絶妙に混ざり合って、不思議だけど好き!」などという人もいれば、
「選んだコーヒーや紅茶の種類によって美味しくない。」「二つの味が喧嘩している。」などという人もいます。
百聞は一見に如かず。気になる人は是非作って試しに飲んでみましょう。
インスタントや紙パック製品も販売されているので、インターネットで購入して試してみるのも楽しいかもしれませんね。
私たちが毎日飲む「お茶」。
今日の体調や気分によって、またシーンによって、使い分けて楽しんでいくことが出来たら、いつもの日々に新しい彩りがうまれるかもしれませんね。
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