何かとご馳走を食べる機会のある季節ですが、今年は家で楽しまれる方も多いのではないでしょうか。
食事とワインを素敵に合わせて楽しむことをマリアージュ(結婚)、と言いますが、レストランだとお店のソムリエに聞くと詳しく教えてくれますよね。
あるいはお料理に合わせて、一皿ごとにそのお料理にピッタリのワインをセットにしたコースなどもあります。
お料理とワインがピタッと合うと、その両方の良さを引き立てあうことが出来ます。
しかし反対に合わないワインを選んでしまうと、魚介の生臭さが際立ってしまったり、野菜の青臭さが目立ってしまったり。。
ソムリエの方にワインを選んでいただけなくても、ほんの少しの知識があれば、家で美味しいお料理を頂きながらお料理と相性のいいワインを楽しむのは、実はそんなに難しいことではないんです。
自宅で気軽にワインを楽しむために、あるいはご馳走に合わせてワインを選ぶとき、知っておくととても役にたつ「ワインと料理の合わせ方」をご紹介します。
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目次
ワインと料理を色で合わせる
まずは一番わかりやすくて、難しく考えなくても誰でも気軽に合わせることのできる方法をご紹介します。
それは、料理の色とワインの色を合わせる方法です。
牛肉など赤身の肉には赤ワインを、鶏肉など白い肉には白ワインをのように、合わせたい料理の色とワインの色を合わせます。
また、ハンバーグなど赤や茶色っぽい料理にも赤ワインを合わせます。軽めのトマトパスタなどの場合はロゼを合わせるのもお勧めです。
素材の色だけを考えると「白身の魚=白ワイン」となるところですが、例えば白身の魚にトマトソースがかかっていたらロゼワインを合わせるのも素敵です。つまり、素材の色だけではなく、料理全体の色を見ることが大切になるのです。
◎鶏肉のクリーム煮、うなぎの白焼きなどの白い料理には、白ワインを。
◎鶏肉にトマトソースがかかっていたら、軽めの赤ワインを。
◎エビやサーモンなどにはロゼワインを。
ワインと料理を産地で合わせる
ワインと、その同じ土地で作られる郷土料理は素晴らしい組み合わせになる事が多々あります。
何故なら、長年その地方で暮らす人々が食べてきた郷土料理と、同じ気候風土で育ったブドウから作られたワインなので、安定感のある組み合わせになるのです。
ワインの世界には「テロワール」という言葉がよく登場します。テロワールとは、気候・土壌の個性・地形などブドウの樹をとりまく環境のすべてを指します。
同じ品種のブドウを使って作られたワインでも、出来上がったワインはテロワールの違いによって全く別物の味わいになるのです。ワインの味を決める大切な要素は、ブドウの品種・テロワール・つくり手の3つです。
つまりテロワールを共有するという事は、この大切な3要素のうちのひとつを共有しているという事になるのです。
牛や豚、あるいは魚や野菜などの食材が育ってきた環境と、同じ土地の風土によって育まれてきたワインは、共通した同じ個性を持っているといえます。産地を合わせた食材とワインの組み合わせは、テロワールの共有によって素敵なペアリングになる事が多い所以です。
◎ブルゴーニュの特産品「エスカルゴ」料理には、ブルゴーニュの白ワインを。
◎アルザス地方の「シュークルート」には、アルザスのリースリングを。
◎もっと広い視点で、イタリア料理を食べる日にはイタリアワインを。和食の日には日本のワインを合わせるのも、きっと素敵な組み合わせになると思います。
ワインと料理を香りで合わせる
ワインには100種類以上の香りが存在すると言われています。原材料がブドウであることに変わりはないのに、その香りは実に複雑です。
香りは大まかに3つに分類されています。
「第一アロマ」ぶどうそのものに由来する香り。果実香、花・スパイスなどの香り。
「第二アロマ」醸造や発酵由来の香り。ボジョレーヌーボーで感じるバナナのような香りや、石灰のミネラル香などです。
「第三アロマ=ブーケ」樽やボトルの中で熟成することで出てくる香り。バニラ・獣臭・紅茶・キノコ・腐葉土などの香り。
第一と第二アロマは、ワインをグラスに注いだだけの状態で、グラスを動かさずに嗅ぎます。
対してブーケは、グラスを回してワインを空気に触れさせることで出てくる香りです。
白ワインからはまず柑橘系やハーブ香を嗅ぎとる事が多いかもしれません。
赤ワインの場合は、スパイス香やジャムのような香り、樽香を感じさせるものも多くあります。
飲みたいワインの香りを嗅いで、最も特徴的な香りを掴んだら、料理にも似たような香りを持つものを合わせると、素敵な組み合わせが生まれます。
ハーブを使った料理にハーブのような香りのワインを合わせてみたり、スパイシーな香りのワインには、スパイスを使った料理をといった具合です。
◎蒸し鶏とハーブのサラダには、ハーブの爽やかな香りのするソービニヨンブランを。
◎胡椒をきかせた牛肉のステーキには、スパイシーなシラーを。
◎キノコたっぷりのパスタに、土っぽさのあるピノノワールを。
ワインと料理を重さで合わせる
主に赤ワインを表現するときに用いられる、ボディという言葉があります。
「ライトボディ」渋みやコクが軽めで飲みやすく、赤ワインが苦手な人にも飲みやすいワインです。アルコール度数も低いものが多くあります。
「ミディアムボディ」フルボディとライトボディの中間で、軽すぎず重すぎないので様々な料理に合わせやすい万能ワインです。
「フルボディ」濃厚でコクがあり、重厚な印象のワインです。タンニンが多く、アルコール度数も高いものが多くあります。
軽めの白ワインは、酸味がしっかりとしていて、果実味と樽香は控えめなワインです。
重めの白ワインは、酸味が柔らかく、果実味は強め、樽香もしっかりと香るワインです。
これらを踏まえて、料理とワインの重さを合わせることが、相性のいいワインを見つけやすくなるコツのひとつです。
重い料理・重厚な味付けの料理には重いワインを、軽い料理・あっさりした料理には軽いワインを合わせます。
そうすることでどちらも味わいを高めあって、口の中に素敵な調和が生まれます。お互いの共通点を見つけることがポイントです。
◎鶏のクリーム煮には、コクがあって樽の香る重めのシャルドネを。
◎鶏のハーブ焼きには、フレッシュでスッキリと軽いソービニヨンブランを。
◎鶏のトマトソース煮込みには、フレッシュ感のあるピノノワールを。
いかがでしたか?ワインと料理のマリアージュ、なんていうととても難しく沢山の知識が必要なんじゃないか、、?なんて思っていた方もいらっしゃるでしょうか。
確かにレストランで出てくる素敵なフランス料理に、その店にあるワインを自分で合わせるのは、少し難易度が高いのかもしれません。そんな時にはレストランのソムリエと相談しながら決めるのがお勧めです。
ですが家で美味しいご馳走を食べながら、家族や気の置けない友達とワインを楽しむのであれば、あまり難しいことは考えず、この4つのポイントを押さえて選んでいただけたら、十分に楽しい食事タイムを過ごせることと思います。
どうぞ素敵なマリアージュをお楽しみください♪
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