腸活とは、腸内環境を整えて体を健康に導くことです。
腸はウンチを作るだけではなく、体全体に関わるとても重要な働きがある事が解ってきました。
腸を良好な状態に保つことは、ダイエットや美肌効果、免疫力の向上、ストレスの軽減、体全体の健康に深くかかわっています。
さっそく今日から生活習慣を見直して、腸内環境を整えましょう。
目次
免疫力の70%は腸で作られていた!
「第二の脳」とも言われる腸は、私たちの意思とは関係なく動いています。自律神経に支配されていて、24時間働いています。
人の消化器官は、口から肛門まで一本道でつながっています。
口から入った食べ物は胃液や胆汁などで消化され、ほとんどの栄養素は小腸で水分は大腸で吸収されます。
つまり、腸から吸収されて初めて体内に入ったことになるのです。体の窓口と言っていいかもしれません。
その為免疫機能も集中し、有害な物質が体内に入るのを阻んだり、体内に入ってしまった時には攻撃をしたりする極めて重要な器官です。
腸内では、ビタミン・酵素・ホルモンが作られている
美容にとって欠かせない物質である、ビタミン
美しさのためにビタミン剤を飲まれている方も多くいらっしゃると思います。
つまりそれだけ、美容とビタミンとは深くかかわりがあるという事ですね。
実は私たちの腸内では、このような大切なビタミンを合成する力があるのです。
しかし腸内細菌のバランスが崩れると、ビタミンの供給も減ってしまいます。
美しくいるためにも、腸内細菌のバランスを良好に保つことが重要だという事がわかります。
腸で作られるのは、こちらのビタミンです。
ビタミンB1・・糖を分解しエネルギーに変える。不足するとむくみや肩こりをおこしやすくなります。
ビタミンB2・・皮膚や髪や爪を作る。不足すると唇が荒れたり、肌荒れを起こします。
ビタミンB6・・皮膚や粘膜の健康維持に役立つ。不足すると皮膚炎、口内炎、貧血などがおこりやすくなります。
ビタミンB12・・葉酸と協力してヘモグロビンの生成を助ける。不足すると赤血球が減ったり悪性の貧血を起こしやすくなります。
パントテン酸・・皮膚や粘膜の健康維持を助ける。不足すると頭痛や疲れが出やすくなります。
ナイアシン・・皮膚や粘膜の健康維持を助ける。不足が進むとペラグラという欠乏症になります。
ビオチン・・皮膚や髪の健康を助ける。
ビタミンK2・・血を固めたり、骨や血管の健康維持に役立つ。
葉酸・・・タンパク質や核酸の合成を助ける。脳卒中や心筋梗塞を防ぐという研究結果が増えているようです。
生命を維持していくために欠かせないもの、酵素
私たちの食べたものを栄養素に分解してくれる大切な消化酵素は、腸と腸内細菌が作り出しています。
食品からでも摂取できそうな気がしますが、加熱すると力がなくなってしまい力を発揮することはできません。
生のまま口にすると、胃酸でやられてしまいますので、酵素としての働きは失われてしまいます。
つまり食品として口に入れるのではなく、腸内で作られるものが重要というわけです。
腸内環境を整えて、酵素が元気に働ける状態にしておくことが大切です。
精神の安定につながっている、ホルモン
「幸せホルモン」と言われる神経伝達物質、セロトニン。
精神を安定させて、リラックス、安心感、幸福感などをもたらしてくれます。
体内にあるセロトニンの割合は、脳が約2%で、血液中に8%、そしてなんと腸に90%もあるのです。
摂取した食事から、腸内細菌の働きでセロトニンのもとが作られます。
それが脳に届くとセロトニンとなり、幸福感がもたらされます。
腸内環境が悪いと、セロトニンのもとが十分に作られずイライラや不安感が強くなります。
逆に腸内環境がいい状態だと、沢山作られてリラックスしたり幸せな気分になれるというわけです。
腸内細菌のバランスが大切
年を取ると、乳幼児期には優勢だったビフィズス菌の数は減り、逆に悪玉菌は増えていきます。
老化と腸内細菌には密接な関係があり、「老化は腸から」と言われるほどです。
私たちの体に生息している腸内細菌は、有効菌である善玉菌とその逆である悪玉菌、そして日和見菌に分けられます。
●ビフィズス菌などの乳酸菌に代表される善玉菌は、体の免疫力を高める働きがあります。
●逆に悪玉菌は、有害物質をつくったり腸内の腐敗を進めるなど、体に悪い影響を及ぼします。
●日和見菌は、善玉菌か悪玉菌のどちらか優勢な方に加担して働く性質があります。
腸内環境が整った人の腸内細菌のベストバランスは、善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1といった具合です。
つまり善玉菌が優勢な状態です。
しかしひとたび悪玉菌が優勢になるや、腸内環境は悪化。腸の蠕動運動も鈍くなり便秘になりやすくなります。
便秘になると腸内には、腐敗物質であるアンモニアや硫化水素、フェノールやパラクレゾールなどが作り出されて、腸管内で吸収され血を通って体をめぐり皮膚に届き、肌トラブルに結び付きます。
腸は栄養を吸収する器官であるため、腸内環境が悪くなれば腸内で作られた有害物質が血に入って流れてしまい、肌のハリが失われたり、ニキビ・肌荒れ・くすみなどを招きます。
逆に腸内細菌が整えば、栄養がいきわたり肌もつやつやとハリをもって美しくなるでしょう。
悪玉菌が増えることでタンパク質を分解し腐敗させて、悪臭のするガスや毒素などを発生させます。
それらが腸管から吸収されると、内臓に負担を与え、老化を促進させたり様々な病気の原因になると考えられています。
がんや糖尿病やアレルギーなど様々な病気が、腸内環境の悪化と関係のある事が解ってきています。
腸内細菌のバランスはこんなことで崩れる
①食生活:野菜や穀類が中心である低脂肪・高食物繊維の伝統的日本食は善玉菌にとっていい環境ですが、肉を中心とした食生活に変わると、脂質と動物性たんぱく質が好きな悪玉菌が増えてしまいます。
②加齢による:乳幼児期には善玉菌であるビフィズス菌が優勢なのですが、老年期になると体が衰えてきて、消化しきれない食物が腸内に長くとどまるようになることが原因で悪玉菌が増えてしまい、善玉菌が減ってしまいます。
③ストレス:腸と神経は密接な関係にあり、人が精神的ストレスにさらされたときには、腸内環境も悪化することが知られています。
④抗生物質などの薬:抗生物質は細菌を殺すための薬であり、良い菌も悪い菌も区別できません。その為善玉菌も減ってしまい、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。あわせて整腸剤を飲みましょう。
⑤睡眠不足:自律神経にコントロールされている腸。自律神経が乱れると、腸の働きも乱れがちです。また、睡眠不足が続き腸内細菌のバランスが崩れることによって肥満などの代謝異常につながるとも言われているようです。
⑥運動不足:運動は腸内の有用菌を増やす効果があると言われています。少し疲れるくらいの運動を週3回ほど、継続的に行うことが大切です。
腸内細菌のバランスは便を見ればわかる
腸内細菌のバランスが、肌のハリ・ツヤだけでなく、体の健康や幸福感にまで関係していることがお判りいただけたと思います。
では、自分の腸内細菌のバランスはどうなっているのか、気になりますよね。
腸内細菌のバランスを手軽に知る最適な方法は、自分の便を観察することなんです。
腸内細菌を整える=いいうんちを出す、と思っているとわかりやすいですね。
観察ポイントは、硬さ・におい・頻度の3つです。
硬さ:理想は表面が滑らかなソーセージあるいはバナナ状。コロコロや液状は悪玉菌が優勢な可能性があります。
におい:善玉菌が多いと、それほど強くありません。においがきつい場合は、悪玉菌が多いかと思われます。
頻度:理想は一日一回ですが、1~3日に一回でも心配はないようです。
腸内細菌のバランスを整えるには・・
食生活を見直す
善玉菌を多く含む食材を食べる:ヨーグルト・チーズ・納豆・ぬか漬け・味噌・キムチなど発酵食品
善玉菌の餌となる食物繊維・オリゴ糖を食べる:イモ類・海藻類・豆類・キノコ類・野菜・バナナ・ごぼうなど
★善玉菌を多く含むものと、善玉菌の餌になるものを同時に摂取すると効果的です。
質の良い睡眠をしっかりとる
腸の働きは自律神経に支配されています。
つまり、自律神経のバランスが乱れると腸の働きも乱れてしまう可能性があります。
睡眠不足は自律神経のバランスを崩して腸内環境を悪化させ、悪化することによってまた、睡眠の質が低下してしまいます。
★自律神経のバランスを整えたい方は、こちらも参考にしてください。
睡眠不足が続くと、風邪をひきやすくなったり、肥満・高血圧・糖尿病だけでなくうつ病や認知症の発症リスクも高まることがわかってきています。
ストレスをためない
腸は副交感神経が優位になった時活発に働き、消化が進みます。
逆にストレスを感じた時は交感神経が優位になり消化機能が低下、腸内細菌が乱れ悪玉菌が優勢になってしまいます。
するとその情報が脳に伝わって、更にストレスが生まれてしまうという悪循環が始まります。
ストレスゼロで生きていくのは難しいことですが、自分のご機嫌になれるアイテムを手に入れておいたり、気分の良くなる香りを身にまとうなど、上手に気分転換しながらストレスをコントロールしていけるといいですね。
その他には。。
アルコールの摂りすぎも腸内環境の乱れと関連があると言われています。
食品添加物や人工甘味料も摂りすぎると、腸内環境を悪化させる可能性があります。
適度な運動は自律神経にも影響を与え、腸内環境の改善にもつながります。
食生活を見直し、ストレスをためずにしっかりと質の良い睡眠を取り、適度な運動を行うことで、腸内環境を整えて健康で美しい毎日を手に入れましょう。
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